豊田一成の名言
とくに、心の中でのつぶやきを「内言」と呼んでいますが、ポイントは「~したい」ではなく、「~する」と考えること。「~したい」は願望でしかないので、目的に向かって集中できないのです。
五感を使って「うまくいく」とイメージすることと、自分で自分を励ますこと。このふたつで、結果を出せる男に生まれ変わる。
イチロー選手はゲーム後の時間をかけて用具の手入れをしますが、それはキレイ好きだからではなく、手入れをしながらゲームを振り返ってその日の自分を自己分析しているから。
人間は自分が評価した自分の能力にすごく執着し、つい人のせいにしがちですが、自分の頭で考え、反省して、悪いときのイメージをいいときに置き換えることで行動する力がついてくる。結果、自分のせいにできる人は、集中して物事に向き合えるようになるんです。
人間が成長するために、失敗は不可欠。ただし、その原因を他人のせいにする傾向が強い人ほど、本番で不安感や緊張感が高くなって集中力が低下し、同じ過ちをくり返すというデータがあるんです。そして、失敗を他人のせいにする最大の原因は自信のなさです。
人は「ダメだ」と思い続けていると、意識に根付き本当にダメになってしまう。思い込みさえ取り除ければ、能力は伸ばせるんです。
人の潜在意識は実際に起こったことも、想像したことも区別できない特徴があります。ならば、「できる」イメージを持てば、できるようになる。ネガティブな思い込みを取り除けば人は変わる。思い込みの力が強いなら、ポジティブな思い込みをすればいい。限界を取り払えます。
ポジティブなイメージが描きにくい人は五感を使うんです。スポーツ選手が最高のプレーをしたら、私は必ず状況を細かく振り返らせます。そのとき、いつ、どこで、どんな内容だったかだけではなく、景色や音、匂い……など「五感」のレベルまで落とし込んでもらうんです。高校時代のイチロー選手は、上手く打てた時に球がバットに当たった感触までイメージしていましたね。
集中力とは、言葉を換えれば「緊張や不安を取り除いて、必要な力だけを引き出すこと」。そのイメージを意識の中で鮮明に思い描くことができれば、脳は「それが現実だ」と認識し、自然と最高のパフォーマンスを発揮できるようになる。これは特別な能力ではなく、トレーニングと技術で身につくもの。もちろん、一般のビジネスマンの仕事にも応用できます。