INPACT マルコムXの名言

マルコムXの名言

マルコムX

1925年5月19日、アメリカ中西部のネブラスカ州オマハに生まれる。バプテストの牧師だった父は、白人に媚びて仕事を分けてもらうことを良しとせず、家庭菜園を作り自給自足に近い生活を送った。

そのため一家は白人至上主義団体(KKK)の標的にされ、マルコムが6歳のときに、父は人種差別主義者によって殺害された。その後、母は精神を病み、9人の子供たちはそれぞれ別の家の里子に出された。

マルコムは白人の上流階級の家に引き取られたが「高価あるいは珍しい動物としてしか扱われなかった」と語っている。

中学卒業後、ボストンへ移り、ナイトクラブで靴磨きの仕事に就く。その後、ニューヨークのハーレムでギャンブル、麻薬取引、売春、ゆすり、強盗に手を染める。第二次世界大戦中は徴兵を回避するために精神異常を装った。

20歳のときに強盗の罪で逮捕。獄中でブラック・ムスリム運動に出会い、その教えを勤勉に研究する。

27歳のときに釈放。出所後、ネーション・オブ・イスラム教団(NOI:黒人の経済的自立を目指す社会運動および白人社会への同化を拒否し、黒人の民族的優越を説く宗教運動)のスポークスマンとなり、一躍名を知られるようになる。

マルコムはNOIから”X”という姓を授かり、マルコムXを名乗ることになる。

しかし、1962年、教団指導者が少女を強姦し子を産ませていたことが判明。マルコムはNOIに失望し、告発。1963年、教団はマルコムXを暗殺しようとしたが失敗。

1964年3月、38歳のマルコムXはキング牧師と最初で最後の対面をしている。これは偶然の出会いであり、挨拶のみでわずか1分ほどであった。

その後、マルコムXは伝統的イスラム教に回帰、アフリカ系アメリカ人統一機構を組織するが、NOIとの緊張が高まる。1965年2月21日、教団の暗殺指令を受けた信者により銃殺された。39歳であった。

マルコムは、一時キング牧師を「弱腰」と批判していたが、晩年の2人の主張や姿勢は逆転していたとされている。

ボクサーのモハメド・アリは、マルコムXの思想に啓蒙され、イスラム教に改宗。ベトナム戦争の徴兵令も拒否した。

Malcolm X

マルコムX

アメリカの黒人公民権運動家。
国: 米国(ネブラスカ州オマハ)
生: 1925年5月19日
没: 1965年2月21日(享年39)

マルコムXの名言

アメリカン・ドリームなんて見たことがない。私にはアメリカの悪夢だ。

投票(ballot)は弾丸(bullet)に似ている。あなたはターゲットを見る前には投票しないだろう。そして、そのターゲットはあなたの届かないところにいて、投票券をあなたのポケットのなかに入れさせておく。

今こそ我々は、我々の違いに目をつむるときである。そして第一に、我々は同じ、共通の問題を持っていると着目することが、我々にとって最良であると認識するときなのだ。

この国では、黒人への弾圧、搾取、汚職が職務だ。この政府は、ニグロを見捨てた。

我々は、公民権の闘争を、より高レベルとなる人権の闘争へと発展させる必要がある。

今こそあなたと私は、より政治的に敏感になり、何のための投票なのか、 票を投ずる時に何を得ることを支持するのか、はっきりと理解するときだ。そして、もし我々が投票しないのならば、弾丸が撃たれなければならないような事態に陥るだろう。投票か弾丸かどちらかだ。

今日のアメリカのシーンで黒人は、これ以上、もう片方の頬を差し出すようなことはしない。

私はアメリカ人ではない。私は、アメリカニズムの犠牲者となった2,200万人の黒人の中のひとりなのだ。民主主義の犠牲者である2,200万人の黒人の中のひとりなのだ。

いかなる時もあなたは法律の中に、あなたの法的権利の中に、あなたの道徳的権利の中にいて、正義に従い、そして信じるところのために死ぬ。しかし、一人では死なないで欲しい。死のお返しをさせてくれ。これが平等の意味するところだ。

あなた方と私、2,200万人のアフリカ系アメリカ人は - それが他でもない我々そのものだ - アメリカにいるアフリカ人なのだ。あなた方は他でもない、アフリカ人だ。アフリカ人なのだ。

白人に知らせよう、もしここが自由の国ならば、自由の国のようにせよと。自由の国でないなら、変えようではないかと。

真実は、虐げられる側にある。

公民権というのは、アンクル・サムに正しく扱ってくれとお願いすることだ。人権というものはあなた方が持って生まれたもの、神に与えられたものだ。
※アンクル・サムは、米国を擬人化した架空の人物、米国の象徴

信念を持たない人間は、あらゆることに流される。

それは、私が思うに「鶏が鳥小屋に帰って眠るように」起こるべくして起こった事件だ。すでに言及しているが、白人が心の中にもつ無防備の黒人に対する殺意が止まず、さらにその憎悪の拡大が容認され、終には大統領を殺してしまった。

私の母校は書物、良き図書館だ。残りの生涯をすべて読書に費やしてもいいと思える。

無責任な新聞は、犯罪者を犠牲者に、犠牲者を犯罪者にすり替える。もしあなた方が注意深く見ていなければ、新聞はあなた方を操って、抑圧されている人間を憎み、抑圧している人間を愛するように仕向けるだろう。

もし君を批判するものがいないなら、君は恐らく成功しないだろう。

前科者であることは恥ではない。犯罪者であり続けることが恥だ。

教育こそが未来へのパスポートだ。明日という日は、今日準備をする人たちのものである。

一冊の本に人生を丸ごと変えてしまう力があることを、みんな理解していない。

自由のために死ぬ覚悟がないのなら、「自由」という文字をお前の辞書から消すがいい。

我々の目的は、いかなる手段をとろうとも、完全な自由・正義・平等を確立することだ。

いったん動機づけを与えられると、どん底にいた人間ほど、見ちがえるように変わることができる。

地球上で最大の権力を持つ組織はメディアだ。奴らは無実の者に罪を着せ、罪深き者を無実にする力を持つ。これこそが権力だ。奴らは大衆の心を操っている。

盲目的な愛国心のせいで、現実を直視できないようになってはいけない。どんな人物がやろうとも、どんな人物が語ろうとも、間違ったものは間違っている。

黒人を守るため暴力を行使するのが誤りならば、アメリカを守るために外国で戦わせるのも誤りだ。

きみはあいつらを信用するが、俺はしないぞ。きみは学校で白人の望みどおりの勉強をしてきた。俺は街頭と刑務所で勉強した。そこでほんとうのことがわかるんだ。

人種差別こそ我々が直面させられているものだった。このことは宗教を越えた問題である。

獣のごとく生き、獣のごとく考えていた。

世間は俺の変身を許してくれないんだ!がんじがらめだよ!

差別することは支配することです。

白人は黒人の背中に30cmのナイフを突き刺した。白人はそれを揺すりながら引き抜いている。15cmくらいは出ただろう。それだけで黒人は有難いと思わなくてはならないのか?白人がナイフを抜いてくれたとしても、まだ背中に傷が残ったままじゃないか。

私は、怒りは正しいと信じている。聖書にも怒るべき時がある、と書いてあるではないか。

自分を殺そうとした人間との仲は、もうけっして完全にはもとどおりにはならない。

白人にいつもいつも「イエス」と言うのをやめ、自分自身への嫌悪を振り切った時、我々は自由への道を歩き始める。

それを伝えるのがだれであろうと、私は真実の味方だ。それに賛否を唱えるのがだれであろうと、私は正義の味方だ。私はなによりもまず人間だ。だから人間として、人類全体に利益をもたらすものであれば、だれにでもどんな事柄にでも味方する。

人間は魂によって惹きつけられる。権力によって、人は強制される。愛は魂から生まれる。権力によって生み出されるのは不安だけだ。

人の話を聞くのにコツがある。相手がしゃべっているとき、じっとその声音を聞くんだ。誠実な人間かどうかは声音でわかる。

我々は統合を目指して闘っているわけでもなければ分離を目指して闘っているわけでもない。我々は人間としての承認を得るために闘っているのだ。

– END –