INPACT 森川亮の名言

森川亮の名言

森川亮

1985年3月 - 神奈川県立多摩高等学校卒業

1989年3月 - 筑波大学(第3学群情報学類情報工学専攻)卒業[1][2]

1989年4月 - 日本テレビ放送網入社

1999年3月 - 青山学院大学大学院国際政治経済学科修士課程(MBA)修了

2000年2月 - ソニー入社

2003年5月 - ハンゲームジャパン(→NHN Japan→LINE)入社

2003年8月 - ハンゲーム事業部事業部長

2004年9月 - 取締役

2006年10月 - 取締役副社長

2007年10月 - 代表取締役社長

2015年3月 - 代表取締役社長を退任

2015年4月 - C Channel株式会社代表取締役社長

Akira Morikawa

森川亮

日本の実業家。LINE(旧:NHN Japan)元代表取締役社長。C Channel株式会社代表取締役社長。神奈川県出身。

森川亮の名言

突き抜けた人がイノベーションを生み、時代を作っていく。

自ら積極的に仕事をつくり出すような人でないと、これからの世の中は生き残れない。

「変わらないものは生き残れない」。これは私がいつも胆に銘じていること。

失敗とは、自分の間違いに気づき、変わるきっかけを与えてくれる貴重な経験。

変わることはマイナスではなくプラス。プラスに転換していくことが大事。

新しいこと、自分がやりたいことをするのがビジネスではない。ビジネスとは、ユーザーのニーズに応えるという、実にシンプルなもの。

「過去の成果」ではなく、「未来の成果」に投資しないと、会社は伸びていきません。いかに評価の視点を未来に切り替え、今、頑張っている人が評価される仕組みを作るかが重要。

頑張っても評価されるとは限りませんが、圧倒的な成果を出せば、必ず会社は評価します。評価の指標はプロセスではなく結果です。だから、とにかく成果を出すことに集中すればいい。

成果につなげるにはしつこく努力することが大事。1~2回で諦める人は他の部署や会社に移っても、恐らく同じ結果になります。

大事なのは、可能性をできる限り挙げてみること。そして確率の高いものから試すこと。

どんな分野でもナンバーワンになれば、ニーズはあるし、食べていける。だから、なるべく人生の早い段階で自分が好きな仕事、強みを生かせる仕事を選び、自己実現する生き方を選んでほしい。

何パターンも仮説を立てて、一番可能性の高いところからやっていく。すると何かに当たる可能性が高い。

現場で汗をかいて働く。営業したり、販売したりして、現場の最前線に立ってみる。すると、自分たちは商品の技術力に自信を持っていたけれども、お客さんは安さを第一に求めていた、など、ギャップに気づくことができる。

決断に確信を持つには、自分が先頭に立って行動し、ある程度の結果を出すことが重要。

一番大事なのはスピード。スピードを落としたら競合に負けてしまう。

まずは世界に通用するビジネスの能力を高めることに力を入れるべき。そして、自分なりの強みを持っていないと、成功はできない。

「知らぬが仏」という言葉もあるように、人間は知らない方が挑戦できる。

仕事の成果を上げるためには、すべてを満遍なくやっていてはいけません。何を捨てるかが重要。

ビジネスのマーケットやユーザーを一番よく知っているのは、お偉いさんではなく現場の人。

数字ばかり意識していると、大事なことを見失ってしまう。一番大事なことは、ユーザーの期待に応えることですから。

失敗したから今がある。失敗したからこそ、チャレンジできた。

目標達成のために大切なことは、計画よりできるだけ早く動くこと。

ユーザーは、いいか悪いかをロジカルに判断するのではなく、好きか嫌いかで判断する。

10回に1回ぐらいしか成功しないのですから、失敗なんて気にしなくていい。

成功には時間がかかりますが、失敗はすぐにわかる。だから、ちょっとやってみて、失敗だと思ったら、すぐ次に行けばいい。

悩んでいる時間があるなら、全部試すことに時間を使った方がいい。ビジネスの場合は、競争が加わりますから、できるだけ早くやった方がいい。

誰もが達成できることに挑戦しても世界で勝つことはできない。困難なテーマにこそチャンスがある。

慣れることが怖い。人も組織も成長するためには変化を生み出す工夫が必要。

とにかく私たちの世界は変化が早い。状況の変化にどれだけ早いスピードで対応できるかが重要です。

変化のスピードに乗り、ダイナミックに変われることを強さにできるような経営をしなくては生き残れない。

いつの時代も「今の時代は前の時代より変化が速い」と言われ続けている。つまり、変化には加速度が付いている。

カギはどれだけ早く動けるか。変化の波をとらえ、とにかく早く動き始め、動きながら変えていくやり方が求められる。

変える勇気を持つことが成功につながる。変化を恐れて何もしないでいると、ジリ貧になっていくだけ。自ら積極的に行動を起こすことが大切。

時間は有限だからこそ、すべての人に平等。なるべく効率的に時間が使える工夫を普段からしています。

やりたいことをやっても、新しすぎたら失敗する可能性が高い。

失敗しないで会社を成長させるためには、とにかくユーザーのニーズを精緻に把握し、それに応えるしかありません。

同じ仕事をしていると、成長が鈍化します。未来の成長につながる投資価値が高いものに取り組むべき。

新天地で起業するほうが、未来の自分は成長できると考えた。
【覚え書き|LINEを去った理由について】

一番まずいのは、先のことを考えて足元でつまずくこと。その時々に最高のものを継続的に出していれば、結果的に未来につながる。

僕たちの会社はあまり先のことは考えないんですよね。よく社内で議論するのですが、先よりも今が大事というか、今がなければ先は当然ない。

本当に大事なものがやり切れているかというと、まだ足りない。そこをしっかりした上で次のステージを目指すべきだと思っています。

成功した会社によくあるのが、集客力があるから何でも載せちゃえば儲かるだろうみたいな展開です。それって自分たちがやれば何でも成功できると思ってしまうところに大きな課題があるのかな。

みんながハッピーになるために、人々が求めるものを提供していくことが重要なんじゃないかと思う。

「仕事=人生」の人は、仕事で自己実現したい人でしょう。そういう人は、自分が選んだ分野でナンバーワンを目指し、他の人ができない価値を生むためにとことん頑張ればいい。

長く愛される商品には、育てた人の姿が見える気がする。

途中にマイルストーン(節目)を置くことも、やる気を維持するコツ。

ユーザーが求めているものと企業が求めているものがズレると、当然、ユーザーは離れていきます。そこをどれだけイコールにできるかがチャレンジ。それをやり続ければ、つぶれることはない。

これまでの仮説や経験則が本当かどうかを見極める必要がある。

今の部署で貢献しないと、次はない。人の3倍勉強して、仕事をして、周囲に貢献し、「この部署では学び尽くした。卒業だ」と言われるまでやろう。

「人間は飽きっぽい」という本質は変わらない。何かが流行ったとしても、必ず終わる時が来る、という周期があります。今の時代は、その周期が昔に比べて早まっているだけ。

使う人の気持ちがわかるためには、専門知識や経験がむしろ邪魔だったりします。楽しいサービスをつくるには、どれだけバカになれるか、どれだけ過去を捨てられるかが重要です。

企業もユーザーも、双方が喜べるエコシステム(生態系)みたいなものをつくらないと、ビジネスとして長く続かないと思います。

僕はサービスって戦ってしまうといいものにならないと思うのです。音楽は戦いの世界ではなく、コラボレーションや共感の世界ですよね。戦わないコミュニケーションという意味では、LINEと音楽は似ているかもしれません。

社員全員の名前と顔を覚えるのは当然のこと。
【覚書き|社長室に社員全員の写真と名前が貼ってある理由を聞かれたときの言葉】

日本人は情報収集が大好きという傾向がありますが、ビジネスにおいては情報収集よりも迅速な行動が大事。

守るより攻めよ。これは私が若いビジネスパーソンに言いたいこと。人口が減少していく日本では、「守り」の姿勢は強みとなるどころか、守れば守るほどリスクが高まっていく。

ダメなものほど伸びるチャンスがある。

お金や地位やブランドで入社した人は伸びしろが少ない。

僕たちは今、収益を二の次にしています。もちろん収益も上げていますが、そのすべてをサービス開発の原資に回しています。これも僕たちが上場していないからこそできることです。

ビジネスはタイミングが非常に重要ですが、機が訪れた時に、それを生かす環境なり能力なり経験をきちんと持っているかが重要だと思います。

お金を儲けるというのは結果であって、目標ではありません。何に時間を使うかを重視すべきです。どれだけ自分が成長できるかを基準として見極めてきました。これはビジネスでも同様です。稼ぐことより、何に時間を投下すれば一番僕たちらしい価値が出せるかだと思います。

もちろん他社との差別化の視点の大事さは知っています。でも、差別化にこだわるが故に、ユーザーの顔が見えなくなる場合もある。僕はユーザーが求めるものの中で、「良いものをいち早く出す」というシンプルなことがビジネスとして非常に意味があると思っています。

国内に4000万人の利用者がいるから、単にそこに新しいサービスを提供すればうまくいくかというとそうではない。LINEの利用者が、従来のサービスと新しいサービスが組み合わされた新たな価値を感じてくれなければうまくいかないのです。

本当にいいプロダクトやサービスとは、おばちゃんがマニュアルなしにすぐ使えるもの。

速いスピードで動け。これは私が常に意識し、こだわっていること。ビジネスで大事なのは、チャンスが到来した時に、それにできるだけ速く対応すること。

「未来」の範囲は5年先ぐらいまでを想定しています。変化のスピードが速いので、それ以上先のことは考えません。

私は未来を見据えて計画や目標を立て、それを実現するために手帳を使っています。いわば手帳は「未来に近づくための地図」です。

自我は捨て、今いるメンバーの持ち味を最大限に生かす。その結果、本当に「いいもの」が生まれる。

今あるもので「最高の料理」を作る。その料理はどういう料理なのか。そういう発想が、組織やチームのマネジメントには大切です。

私がリーダーを務める際には、いかに「異質な者」を組み合わせてコラボレーションするかに心血を注いでいます。

私の経験上、新しいビジネスはおじさん向けにやると大体、否定される。

ほんとに皆さん敏感で、そこにあるものが広告なのかコンテンツなのかを常に見極めて、広告だと思った瞬間、見なくなる。

「結果を出す人」と「結果を出せない人」の違いは、「結果にこだわるか」「プロセスにこだわるか」です。結果を出したいなら、当たり前ですが、結果にこだわらないといけない。

言い訳は上手にするけれど、本当に自分と向き合っている人はとても少ない。大事なのは、自分を客観的に見て、自分に厳しく接すること。

結局、自分は自分だと思うと、好き勝手にやってしまうもの。ところが、自分を客観視して他人だと思えば、自分に厳しくできたりする。

直感は大事ですが、それだけだと失敗する確率が高いので、直感をロジカルに分析し、もれがないようにする。これが重要。

100通りくらいニーズを考えて、全部試せば、いつかは当たりが出る。

従業員に対し、会社はなるべく余計なことをしないことがベストです。

社内には僕の言うことを聞かない人もいっぱいいます。でも、それはいいこと。僕は経営者が神みたいな存在になるのはよくないと思っている。変化がない時代はいいけれど、変化が速い時代は、神が言ったことも否定しなきゃいけないから。

制度やルールはどちらかというとダメな人を救う仕組みです。優秀な人は堅苦しくなってしまう。僕たちはトップで走る人に合わせます。

ITの領域は、大企業だから強いという部分があまりない。できるだけ組織は小さくあり続けたい。

事業計画はほとんど作らない。計画を作ると、そのとおりやろうとして変化に弱くなる。

つねに周囲に気を使うあいまいな人というのは、そこそこの仕事はできる。でも、ガーッと成長するときは、どちらかというと嫌な人が、空気を読まずにガンガン引っ張ったほうがうまくいく。ITの分野でナンバーワンを取るには、どこか尖った部分がないといけない。

日本の企業は「強みを生かそう、差別化しよう」として、かえってユーザーが欲しがっていないものを提供しているところがある。僕たちはデザインにこだわり、使い勝手を重視し、ユーザーが求めるものを提供することに全力を注いでいる。

私たちの会社はIT企業であることと、外資系なので韓国人などの外国人が多いことが特徴です。外国人とのコミュニケーションで大事なことは、内容に誤解がないようわかりやすく伝えることです。日本人同士だと遠回しな表現を使うことがありますが、外国人にはそれが通じません。こちらは気を使ったつもりなのに、受け手の外国人には「この人は何を伝えたいのかわからない」とか、悪くすると「嘘をついているのではないか」と思われてしまいます。

人間、上からものを言われるよりは、お願いされた方が気持ちいいですから。

部下をメールで指導するときは、軽い感じでやります。また、人間性には触れないように気を付けています。「あなたはいつもここでミスをする。だから、こう変えなさい」とか、そういう偉そうな書き方はしませんね。

叱るときはメールに頼りません。直接、口で叱ります。会話なら消えますが、メールは後に残ります。怒られたメールが残るということは、お互いにとって不幸です。なので、なるべく怒られたことを忘れられるように、逃げ道を用意してあげることは重要だと思います。

人は誰しも言い訳をしたいという気持ちがあるじゃないですか。そして言い訳はだいたい、事実とは少しズレている。ところが経営者は、いいことも悪いことも、事実を受け止めなくてはなりません。言い訳を読んで、ついそこに共感してしまえば、事実が見えなくなってしまうかもしれない。ですから僕は、部下からのメールに長い言い訳が書いてあっても、大体読まないですね。

報告メールは売上高や販売件数といった実数と、目標に対する達成度。それだけあれば進捗報告としての用は足ります。予算と達成にギャップがあれば、そのときだけ理由を書いてほしいですね。

進捗報告のメールでは文章にするよりも、事実、つまり単語や数字だけでメールを構成する方がいいかもしれません。僕は理科系なのでついこんな連想をするのですが、プログラム言語や数式のように、簡潔な言葉で事実と事実をつないでみせるのが、いい報告メールだと思います。

進捗報告のメールでは、パッと見てすぐわかることが大事です。僕自身もそういう書き方をしています。

本人にとっては重い案件だけど、経営者にとっては一瞬で意思決定できるというケースはよくあります。そのときに、経営者の側が「これは考えた末の決定なんだよ」ということを見せることが重要です。

こちらの期待と実際の働きぶりの間にギャップが大きい人は、その分、課題が多いということです。そういう人に厳しく接すると、委縮してかえってギャップが広がりかねません。ですから、課題の多い人には、上向きな目線になってもらえるようなコミュニケーションを心がけています。

目的やビジョンがないと、人やお金がなかなか集まらない。単に「社長になりたい」「お金を儲けたい」という自己中心的な人には、人はついていきたくないし、お金も出したくないものです。

仲間がいて、良いサービスや商品があって、お金がある。この3つが揃っていれば、起業がうまくいく確率は高くなります。ただ、この3つを揃えるためには、入念な準備が必要です。

私も起業する時、ベンチャーキャピタルや事業会社、投資家を回って資金調達しました。自分自身も投資家として起業家をたくさん見てきています。その経験から、お金を出す側は何を見ているかというと、「この人は本当に責任を持ってやってくれるのか」というところです。事業計画は正直、あってないようなもの。それよりも、その人が約束をきちんと守る人かどうかを見ています。

この人なら実現できそうだと思われる「実績」や「信用」も必要。実績がない人がいきなり事業をやると言っても、なかなか人は耳を貸しませんから、何らかの実績があった方がいい。それは過去の職歴における実績でもいいし、週末などを使ってビジネスを始めて、実績を作ってもいい。

集まるお金の額は、その人がその事業をやることによって、社会にどのくらいのインパクトを当たるかによって違ってきます。例えば、世界中の人が確実に幸せになると思われる事業なら、世界中からお金が集まるでしょうし、ある地域の人以外、関係ない事業だと思われるなら、大して集まりません。ですから、なるべく多くの人にインパクトを与えるような事業をすることが重要です。

大事なことは諦めないことです。自分はこんな事業をやりたい、世の中をこうしたいと思ったら、ぜひチャレンジしてください。周囲の人が反対するからとか、会社や社会がこんな状況だからと、あれこれ言い訳してやめるのはよくありません。

起業を恐れる人は、失敗のリスクを考えるからでしょうが、そんなものは大したことはない。仮に起業して失敗したとしても、またどこかに就職すればいいだけの話。

私は寸暇を惜しんで仕事に時間を投じ、結果を出すべく奮闘していますが、それでも世界の市場で勝てるかどうかは分からない。それぐらいグローバル競争は厳しい。世の中を変え、ナンバーワンになり、自己実現したいと思うなら、何かを犠牲にしないといけない。

私は働き方のプロセスよりも結果にこだわります。往々にして、プロセスだけにこだわる人は長時間労働になりやすいものですが、ただダラダラ働くのは効率的ではなく、結果が出る場合もあれば出ない場合もある。私は効率を重視したうえで、結果を出すためなら長時間労働も厭いません。

キャリアプランは各自の人生設計によって異なります。50代で最高に幸せなりたいというのであれば、20代の10年間ぐらいは大企業で基礎練習を続けることも1つの考え方です。大企業での基礎練習は、単なる下積みだけでなく、人脈作りも含まれます。大企業にいると、ベンチャーでは会えないような人にも、会社の看板で会ってもらえ、人脈が作りやすい。若いうちは大企業で人脈を含めた基礎をしっかり築き、30代、40代でベンチャーに転職して、やりたいことを存分にやるという人生設計もあります。

仕事をスポーツに例えると、「基礎練習」と「試合で結果を出す」という2つによって、人は成長します。いくら基礎練習を積んで、体力がついても、試合で得点できない選手はチームに不要です。ある程度の基礎ができたら、試合に出て、実践の場で鍛えていくことが大切です。

下積みを全くしないと、レベルの高い仕事はおろか、雑用すらできなくなる恐れがあります。最低限、会議をセットする、議事録を取るといった基礎は身につけるべきです。基礎はなるべく早く習得するのだという意識は持つべきです。

転職する前に、今いる場所で本当にやりたいことができないのか、十分にチャレンジしたのかどうかを振り返ってみてください。というのも、転職してみないと、確実にやりたいことができるか分からないからです。今の場所で精いっぱいの努力をして、それでも希望がかなわないなら転職に踏み出す、という順番をお勧めします。

よくリーダーはビジョンを示すことが大事と言いますが、示すだけではダメ。それがどうして正しいのかをきちんと説明するとともに、リーダーが試しにやってみて、「この方向で多分うまくいく」という段階まで見せた方が、メンバーは納得してついてきます。

的確に判断するには、やはり現場を知る必要がある。大企業になればなるほど、リーダーと現場の距離は遠のき、自分にとって都合のいい情報しか耳に入ってこなくなるので、現場でどういう問題が起きているのか分からなくなる。自分で実際に行って、お客さんを理解しなければならない。

リーダーにとって最も大事な仕事は、意思決定し、答えを出すこと。チームのメンバーがやる気のない時や、もめている時にも決定を下し、みんなを引っ張っていく。そのためには自分がその決断に確信を持っていないといけない。

成功の延長線上を歩むのでなく、あえて「ゼロ」の環境に身を置く。そうすれば自分の思いに共鳴してくれる熱い仲間が集まり、その後の成長スピードをさらに加速させることができる。

C Channel開発メンバーはゼロから価値を生み出せる精鋭だけを集めました。皆には「最高のものを最速で創ろう!」とだけ伝え、あとはメンバーを信じて開発を続けました。彼らがやってダメなら仕方ないと腹をくくったんです。

プロセスではなく、結果で評価しましょう。ダメな人は、とかく「私はこんなに頑張ったのに」とプロセスを訴えてきます。しかし、ビジネスは結果がすべてです。結果を出していない人を高く評価すると、本当に結果を出した人が上司や会社に幻滅し、その会社にいるのが嫌になります。「結果を出しても評価しないような会社は、この先きっと伸びないだろう」という未来が見えてしまい、見切りをつけ、辞めてしまう。

会社でも国でも、できる人がどれだけ生まれ、その力を発揮するかで全体の力が変わってきます。ダメな人の力を管理によって底上げするのは、かなりの時間がかかります。それよりも、できる人の力を解き放つことが重要なのです。

「ゆとり教育」の結果、何が起こったでしょうか。優秀な生徒は自由な時間にますます勉強し、よりできるようになりました。一方、できない生徒はますます怠けて、よりダメになりました。できる人とダメな人の二極化が進んだのです。やはり自由な環境になると、自然界と同じで淘汰が起こる。これは仕方がありません。世の中というのはそういうものです。

「積み上げ式」の発想では、すぐに「無理」という結論になりやすい。現在(の実力)からではなく、未来から考えましょう。何が必要なのかを洗い出し、それを行えば達成できるプランを作るのです。まずは高い目標を掲げて、そこから逆算し、工程を細かく分解して、ブレークダウンする。

大切なのは、プランとの誤差を頻繁にチェックすること。誤差が小さい段階で気づけば修正しやすい。1kmズレてから修正するより、1mズレた段階で修正する方が簡単ですよね。

目標は高ければ高いほどいい。高い目標を目指して頑張れば、仮に目標まで到達しなかったとしても、低い目標を立てた場合よりは高い地点まで行ける可能性がある。同時に、それが達成できると思えるような具体的なプランを作ることが必須。

今は大企業的なやり方そのものが時代に合っていないと思う。サッカーの試合で、自分の前にいい球が来たとき、監督に指示を求めるわけにいきません。チャンスではその場で瞬時に判断することが必要で、そこでシュートを打てる人をどう育て、あるいは連れて来るのか。この辺にかかっていると思います。

今のような満たされた社会では、ちょっと新しいものとか、生活に潤いを与えるものなどが市場を作る時代です。そういうものは飽きられる可能性も高いので、常に動きながら、一番いい方法を素早く取っていくのが勝ち残りの要諦だと思います。

コミュニケーションは、水と同じように誰でも必要なものです。LINEはここに特化したことによって、普遍性のあるものになったのだと思います。

社内でも社外でも、あまり妥協してはいけないと思っている。パートナー企業との連携も、幅広い会社と仲良くやるというよりは、結果を出すために、質の高いものを出す会社とより深く付き合うことが必要だ。いわゆる日本的な世界だと、「空気の読めない」会社だと思われるかもしれないが、目的は会社と仲良くすることではなく、成功することだ。

一般的な日本企業では、経営方針を掲げて朝礼で「行くぞ-」みたいなスタイルが多い。スポーツでいうと、打順が決まっている野球型が得意だ。NHNジャパンは、現場が自由にやることとトップダウンを組み合わせながらマネジメントする、サッカー型の文化に近い。日本人はゴール前でシュートしないでパスを回すという話があるけれど、当社でそのようなことはない。

僕たちは、日本企業というよりアジアを代表する企業になりたい。これまでは日本の企業、韓国の企業というように国を代表する企業ばかりだった。ITでアジアを代表するような企業はまだない。

できれば楽に、効率的に健康管理をしたい。そんな人には、「習慣化」と「フォーマット化」をお勧めします。日常生活の中に、決まった型を組み込んでしまうのです。

経営者や起業家などハードに働いている人ほど健康管理を入念にしているもの。ある意味、ビジネスパーソンはアスリートのようなもので、健康管理がきちんとできていないと、競争社会で戦い、ベストな結果を出し続けることができません。

朝起きた時から頭がしっかり働き、体はシャキッとしている。疲れにくく集中力が長く持続する。疲れたら、すぐに疲労を回復させ、ストレスを発散させる。そして次の日も全力で仕事ができる。そういうベストなコンディションを整えるために、健康管理はとても大切。

大学時代にジャズをやっていました。スポーツは負ける人がいますが、音楽は聴く人も演奏する人も一緒にハッピーになれる。ビジネスでも社会でも、同じことができるといいなと。

フェイスブックのユーザー数を抜きたいなと思っています。ただ、闘うという意識はないです。闘うことが目的ではないですから。そこが目的になると、ユーザーの求めるものから離れちゃうじゃないですか。とにかくシンプルに、ユーザーが求めるものをつくり続けるだけです。

僕たちの目的はユーザーさんを増やすこと。もちろんサービス継続のために必要な部分だけは収益モデル化していますが、ユーザーの方が嫌がるような収益モデルをやるつもりはないんです。

水のようなサービスをつくりたかったのです。水って要らない人がいないですよね。スマホにおける水は、コミュニケーションです。その分野でトップになろうと試行錯誤しているうちに生まれたのがLINEでした。

事業計画は一応あるんですよ。ただ、つくり手がそれを意識しても意味がない。計画があると、つくり手は計画通りやろうとします。たとえば3カ月の計画が2カ月でできたら、もうちょっと何かやろうという話になるし、逆に本当はもっとかかりそうだったら、何か削ってしまおうとしてしまう。でも、それはユーザーにとって無意味なこと。一番大事なのはいいものを早く出すことなので、つくり手もそれに集中してもらったほうがいいですよね。

インターネットのビジネスが成熟してくると、人は機能よりデザインや気持ちよさでサービスを選ぶようになるという確信を持っています。なので、アイデアが出たら仕様書をつくるのではなく、まずデザイナーに絵を描いてもらいます。

会議はなるべく減らしています。何かを決めるのは、べつにメールとかLINE上でもできるので。いわゆる定例会議はなるべくなくしています。

野球は、すごく計画的ですよね。まず打順が決まっていて、自分が何番目に打つのかわかります。ポジションも決まっていて、ピッチャーがキャッチャーをやったりもしません。そのようにフォーマットとかプロセスがきっちり決まっているのは、大企業的な文化だと思います。一方、サッカーは状況に応じてパスするのもシュートするのも自由。場合によってゴールキーパーがシュートを打ってもいい。僕たちのように変化が速い会社は、野球よりサッカーのやり方が合っています。

当時、スマホの時代がくるとわかっていたけど、もう少し市塲が大きくなってからやればいいと考えている会社がほとんどでした。ただ僕たちはガラケーのときに乗り遅れているので、集中しないと二の舞いになるという危機感があった。だからやるなら最初からスマホ単体でやろうと、リソースを全部注ぎ込むことにしたのです。

商品開発には2つの方向があります。ひとつはグーグルさんのように、人が欲しがるのかわからないけど、エンジニアがおもしろがってつくったものをとにかく世に出して、その中で当たったものをビジネス化していくやり方。もうひとつはアップルさんのように、人が求めるものを突き詰めて考えて、一個に絞って出すやり方です。

差別化はむしろマイナス。差別化って模倣されるのでとても難しくて、結局、「ほかにない技術」ということになってしまいます。その技術が求められてなくても、とにかくそれを使って商品をつくれというのが差別化になり、そこには「人がまず何を欲しがっているのか」という発想がなくなってしまうんですよね。たとえば当時、デジタルウォークマンという製品があったのですが、まず技術ありきなので、ある特定のセキュリティ技術を使わないと音楽がコピーできませんでした。それがみんなに求められていたのかというと、疑問です。

ソニーの通信のカンパニーに入って、トヨタさん、東急さんとブロードバンドサービスのジョイントベンチャーをやったのですが、その会社がうまくいき始めると、本社から退職間際のおじさんが入ってきました。大企業の関連会社は、やっぱりそういうものから逃れられないんですよね。それで、何のしがらみもない真つさらな会社で働きたいと思いまして。
【覚書き|ソニーを退職した理由について語った言葉】

経営者の立場から見ても、やり切らないまま部署を異動してばかりいる人は、信用できない。不本意な部署で、やりたくない仕事をしていても、「とことんやり切ること」で、道は拓けます。

業界ナンバーワンを目指すには、社会のニーズを把握することが大前提です。ニーズがない分野でナンバーワンになっても、仕方がない。社会のニーズは今後、どこに来るのか、そこで発揮できる自分の価値は何なのか。しっかりと自分の商品価値を見極めておく。社会のニーズに添って活躍できるよう、自分自身を成長させていく。そのプロセスを考えておきます。

私は多くの新規事業を手掛けてきました。その都度、「今までと違うからうまくいかない」と言われ続けてきました。けれど、「今までと違う」ことでなければ新しい価値にはなり得ません。

私は日本企業の社員が、動物園に飼われている動物のように野生を失っているのではないかという危機感を持っています。変化がなく、守られた環境の中にいて決まった時間にエサがもらえる暮らしであれば、ライオンも闘争心がなくなる。

新しい価値をつくるのは、ある程度内部でぶつかることがあっても、自分で信念を持って何かを生み出す人です。そうした人材が活躍できる場をつくることが大事。

会いたい人を明確にすることが大切。日本テレビに勤めていた頃、「会いたい人リスト」を作って、その人の行動パターンを調べ、会いに行っていました。著名な人なら、講演会などのスケジュールが公開されています。足繁く追っかけをして挨拶し、ビジネスにつなげたこともありました。

ビジネスにおける人脈は、やはりどこか「貸し借り」がベースにある。相手が喜ぶことをこちらから提供すると、自分が困った時や頼み事をしたい時に、相手が助けてくれるもの。

人脈づくりで一番大事なのは、自分に何らかの価値がないといけない、ということ。相手にとって、自分とつき合うことに何かメリットがないと、次につながらない。自分の価値を高めることが、人脈を広げるスタート。

通常、LINEのスタンプは有料なのですが、企業が提供しているスタンプは無料で手に入れることができます。そうすることで、ユーザーも嬉しいし企業もしっかり宣伝できる。双方が喜べるエコシステムの一例です。

「楽しいところから始める」ってSNSでもすごく重要なことだと思います。お金儲けや数字を上げたいという意図が見えてしまった瞬間、そこは戦いの世界になってしまって、もはや楽しくない。ですから、あくまでもビジネスでありながら、数値化できない領域で事業を進めていくことが重要だと思うのです。

きっとフェイスブックに違和感を感じ始めている方って多いと思うんですが、やっぱりSNSの世界も、提供側がお金儲けをしようとしていることがユーザーに見えてしまうと、その瞬間に引いてしまう人が多いと思うのです。

僕はエンジニア出身で、最初はプログラマーをやっていました。ただ、音楽が好きでずっと続けてきましたから、ロジックとアートの両方を理解できる。

かつてのインターネットビジネスはエンジニアが中心で、技術的な差別化ができて初めて勝てる世界でした。しかし、最近はデザインの重要性が増していて、エンジニアよりデザイナーが中心になってサービスを開発するようになってきています。

一般的にネットの会社にはエンジニアが多いのですが、エンジニアの人ってロジックでコミュニケーションをする癖があります。そういう人ほど手短にコミュニケーションを済ませようとするのですが、一般の人ってそうじゃないですよね。ロジックではなくて感覚を共有したいとか、気持ちを伝えたいという人がほとんどだと思います。

日本人って、そもそもコミュニケーションにものすごく気を使う民族ですよね。思っていることを言葉ではっきりと相手に伝えることがとても苦手です。そういう民族だからでしょうか、メールになると急に過激になって、誤解や揉め事が多くなってしまう。匿名の場合はなおさらです。それだけにデジタルの世界でも、言葉にならない気持ちというものを、しっかりと伝える手段を提供しなければならないと思うのです。

「誰が最終的に決定をするキーマンなのか」を、あらかじめ見極めておくことが重要です。権限のない人にいくら一生懸命アピールしても、無駄に終わりかねません。

フェイスブック(WhatsApp)さんや、テンセント(WeChat)さんと比べて社員数も圧倒的に少ないですし、当然キャッシュも少ない。同じ土俵で勝負して勝つというのは非常に難しいですね。違う切り口で勝負した方が可能性があるかなと思います。

僕たちは今も、あくまでコミュニケーション(に関連した事業をやること)が大事で、それを失ったら僕たちではなくなってしまうと思うんです。なので、必ずLINEというコミュニケーションとつながって、それが豊かになったり、楽しくなったりするようなシナリオがちゃんと作れるかどうかですね。

先日、秋元康さんとお話しした時に、「LINEは道路みたいなものにならなきゃいけないんじゃないの」「LINEって騒がれている段階でまだインフラじゃないよね」とお叱りを受けまして。当たり前のようにそこにあり、それがあるからこそいろいろな産業や人々の生活がより豊かになる今後はプラットフォームというよりは、そういう「インフラ」のような存在になれたらいいなと思っています。

机の前にただ座っているだけの時間も無駄。よくあるケースが、何かパソコンを見ながらカタカタ打っているけれども、実はフェイスブックを更新していたり、ニュースサイトを眺めていたり、メールの返信をダラダラ書いていたりするというもの。これを極力やめて、実務に直結したことに時間を振り向けるべき。

プロジェクトを立ち上げる時に、やたら情報収集して、ネガティブな情報までたくさん集めて、やっぱりこの計画はやめておこう、実行しなくてよかったね、と安心するような人が結構多い。情報を集めることに時間を費やし、行動しないで終わるなら、その時間は無駄。

報告書の作成はやめた方がいい。特に、社内向けにパワーポイントなどを駆使して時間をかけるのは無駄。伝えたい情報やみんなで共有したい情報は、しゃべった方が早い。

定例会議など、あらかじめ時間が固定されているような会議は、やめた方がいい。議題すら決まっていないケースもあり、会議のための会議になりがち。全くもって無駄です。話し合う必要がある時に、その都度、集まって議論すればいい。

大企業では肩書や権限が大事で、それがないとなかなか人は動かない。裏を返せば、肩書や権限さえあれば、その人がたとえ無能でも、部下は表面的には従うわけです。しかしベンチャー企業では、人は肩書きや権限では動かず、マインドで動く。そして成果重視です。

お偉いさんが反対しても、会社の前例を覆してでも、ユーザーが本当に求めているものをきちんと提案して実現できるかどうか。成果を出すにはそのぐらい腹をくくることも重要になっています。

今の時代、過去のやり方は必ずしも当てはまらない。どちらかというと、未来志向でなければ成果が出にくい。成果を出すためには、過去を否定し、常識を取り払い、タブーを冒すような勇気が必要。

企業の多くは、成長し、変化します。その変化についてこれなければ採用した人たちはムダな存在になってしまう。だから、ほかの企業の場合であれば人手を増やして企業を拡大していきましょうという判断になりますが、僕たちはあえてそれをしない。過去の経験も含めて、なるべく手数ではなく頭で勝負したいと考えているからです。

どの企業でも、収益化を考え始めると、利用者は必ず変化に気がつきます。あ、何かスイッチが入ったなと(笑)。そこに全く収益化を考えない企業が登場すると、「この会社は純粋でいい」と利用者の支持を得ます。いったん利用者が新しいサービスに動き始めると、もうその流れを変えるのは難しい。過去に成長が止まったほとんどのネット企業が同じ道を歩んでいます。

利用者がどう思うか、どう感じるかを軸にサービスを開発しています。

パソコン向けにサービスを提供してきた私たちが、フィーチャーフォン向けにサービスを開発しようとした時、正直に言えばうまく結果は出せませんでした。でも、愚直に取り組んできたことが結果的に技術的なノウハウや経験、他社の分析力などの蓄積につながりました。これらがスマホ向けに割り切ったサービス開発に集中することで、一気に花開いた結果だと思っています。

LINEが成功した要因を自ら分析するとすれば、ラッキーが続いたことと、スマホに割り切ってサービスを開発したという2点でしょうか。そもそも、これだけ大成功を収めるということは狙ってもできることではないですから。

プロダクトをグローバル市場で展開するなら、なるべくシンプルにして世界に持っていくことが重要。そのためには磨きすぎないこと、あえて強みを捨てることも必要。

エンジニアの技術で最高のクオリティーに作り込むことは可能。しかし、それをユーザーが求めていないなら、作り手のエゴや自己満足に過ぎない。本質を見失い、ムダに時間をかけているだけになってしまう。

定例会議をなくしました。会議が必要になれば、その時その場でやって決めればいい。毎週、定例会議を開く場合、決めるべきことがあっても定例会議まで待たなければならないし、そこで決まらなければ、また1週間後を待つことになってしまう。議題がなくても開かれるなど、会議が形骸化している場合も少なくない。必要な時にとことん話し合って決めればいいのです。

日本の大企業は一般的に、前例がないものは基本的にやらないというスタンスを取ることが多い。誰かが新しいことを提案しても実現するまでに時間がかかり、チャンスを逃してしまう。

チャンスというのはだいたい新しいものなので、それに対応するのは、過去を否定することにつながりやすい。これからの時代は、過去を否定してでもそのチャンスに乗るかどうか。

手帳は「人生をこう生きたい」という未来図のようなもの。私の人生の大きな計画や目標に、「オンラインのエンターテインメントを具現化する」というのがあります。それを実現するにはどうしたらいいのか、日々考えながら行動してきました。

初めから「失敗してもいいや」と思っていると絶対に成功しないので、そうした考え方はやめた方がいい。成功するまで続けて、それでも失敗したら、次の挑戦のテストになるような「いい失敗」をすること。そして結果は早く出す。「1勝9敗」では会社が傾くので、「1勝3敗」くらいで収めたいですね。

私がこれまで見てきた組織を振り返ると、優秀な人ほどケンカをしませんでした。なぜなら相手を打ち負かしても、「いいもの」を作れないし、時間やエネルギーの無駄だと分かっているからです。

自分ではなく、ユーザーを第一に考え、よりユーザーのためになる意見を出し合い、最善のものを選択する。選択したなら、それを実現すべく、みんなでベストを尽くす。

メンバーと一緒に、「ユーザーが本当に求めているもの」を提案し合い、率直に意見を交わして、時には議論が白熱することもあります。しかし、ケンカはしない。なぜなら、ケンカは「ゼロサム」だからです。つまり、誰か1人が勝ってもチーム全体で見れば無益な争いになる。

もともと日本テレビに入ったのは、音楽番組がやりたかったんです。ずっと音楽をやってきたので。でも、大学の専攻が災いして、コンピュータシステム部門に配属されまして。でも、システム開発の仕事をしていると経営について考えることも多くて、結局それが経営への関心につながってここまできたので、結果的にはよかったのかなと思うんですけどね。

情報はなるべく時系列に整理して、トレンドをつかむことをお勧めします。その場その場のデータを集めているだけでは前後の変動が分からないので、時系列で整理しています。そうするとトレンドが分かり、先の動きを見通すことができるようになる。

精度の高い情報を効率よく収集するには、専門家と仲良くなることが重要。やはり、その道の専門家が一番詳しい。ですから、その人に聞くのが一番早く正確。

集めた情報をどうやって整理するかが大事です。情報は、集めただけでは使い物になりません。情報は世の中にいくらでもありますが、整理しないと、どんどん頭から抜けていってしまいます。

有益な情報は、成功している人に集まってきて、成功していない人には集まってこない。自分が何かのジャンルの専門家で、人に聞かれたらその情報をいつでも提供できるような立場にいる。そうでないと、相手の専門家からも、なかなか情報は得られない。

結果にこだわる人は「今」はどうでもよくて、「未来の結果」が一番大事です。そこから逆算して、今の方法では結果が出ないと気づけば、素早く変えて、柔軟に新しい方法を取り入れていく。そうした「自分を変えるスピード」もこれからは重要。

先が見えない中であれこれ考えていても、考えている最中にまた周囲の状況が変化してしまうので、走りながら考えざるを得ない。つまり、今の時代に重視すべきなのは、質よりもスピードです。速いスピードで走ることを大前提にしながらも、それにプラスして質も高めていくことが大切なのです。

やることがあまりに多すぎるとそれに取り組むエネルギーが分散してしまうので。やるべきことが、10~20件あった場合、まずは2~3件に絞って集中して取り組むと、効果が出る場合が多い。

時間を管理することは、目標を達成できたかどうか確認することにつながります。大切な目標を忘れず、達成できなかったら、反省する。それをどう仕組み化するかが大事。

ストイックになりすぎないことですね。人間が1日に我慢できる量は決まっていて、そのほとんどは仕事に使ってしまいます。だから、「自分へのご褒美」という名の下に、少しくらいは成長につながらないことをするのもいい。

テクノロジーは、社会の役に立たないと意味がない。現代のテクノロジーと消費者のニーズをどう組み合わせられるか、どんなイノベーションを起こせるのか。そんなことを日々、考えています。

将来転職する可能性を考えるよりは、まずは目の前の仕事で最高の結果を出すことを考える。そして、求められている以上の成果を出せば、おのずと評価も高くなる。

私は朝スポーツジムに行きます。なぜ朝なのかというと、経験上、イヤなものほど「朝イチ」でやった方が達成率が高いから。平日の早いうちに、やらねばならないことを終えるようにしています。

仕事で何を求められているのかを把握することが大切。複数の結果を求められているなら、その中で一番重要なものは何か、どうしたら実現できるのか。それを考え、早く具現化することを繰り返せば、世の中にとって意味のある仕事ができる。

一番のポイントは、ユーザー数より、ユーザーの伸び率が増えているかどうか。伸び率が止まると次の手を打たねばなりませんが、堅調にアップしている。僕たちの今までのやり方は間違っていなかったと思っています。

できる人をみんなが必死に追いかけて、全員仕事ができるようになるのが、理想のチームです。落ちこぼれの人にレベルを合わせてしまうと、仕事ができる人までレベルが下がってしまいます。

チーム作りを考える時、私はいつもサッカーをイメージします。まずリーダーが選手として得点を入れなければならない。自分のドリブルで相手のディフェンスを突破できないなら、チームの他のメンバーにパスする。そのパスをきちんと受け取れる人を育てるか、よそのチームから引き抜く必要があります。リーダーは監督だと思っている人もいるかもしれませんが、リーダーは選手です。リーダーシップとマネジメントの違いはその点にあります。マネジメントは、自分はベンチに座っていて、選手に動いてもらう監督型です。しかし、今の時代は変化が早いので、自ら試合に出て動きながら、他のメンバーに指示するタイプでないと、なかなか得点できないでしょう。

雰囲気の良いチームを作ろうという考え方が一般的ですが、私はそうは思いません。むしろ、みんなで仲良く、のんびりランチを食べているようなチームではいけない。多少仲が悪くても、一人ひとりが戦力として活躍しているチームを作るべき。

成長するためには、優先順位をつけることが大事。仕事ができない人というのは、優先順位がつけられないという本質的な問題があるので、それを指導しないといけません。

落ちこぼれに対しては、長い期間ではなく、毎日でもフィードバックすべきです。なぜなら、仕事ができない人というのは、まず仕事に取りかかるのが遅いからです。3カ月経っても「いろいろ考えていまして……」などと言い訳して手つかずだったりする。ですから、上司は落ちこぼれの仕事の進捗を毎日チェックし、お尻を叩いていかなければなりません。

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