部下を指導していると、すぐに成長するタイプもいれば、なかなか伸びていかないタイプがいます。
すぐに成長するタイプが優秀なのは事実ですが、なかなか伸びていかないタイプの人がまったく能力を持っていないかというと、必ずしもそうではありません。
だからこそ上司は、「この部下は成長に時間がかかるタイプなのかな」「時間さえかければいつか成長してくれるのかな」「それとも、この業務において単に能力がないのだろうか」と思い悩むわけです。
もし本当にその業務に関する能力をもっていないのでならば、部署を変えたり、仕事を変えたりすることが本人のためでもあるし、会社のためでもあります。 そのあたりの見極めが非常にむずかしいのはわかります。
しかし、教育と称して、このまま続けさせても本人のためにならないことがわかっていながら、いつまでも自分の下で働かせておくわけにはいきません。これは部下を飼い殺しにしている典型 的な悪い上司です。
そこで私は二年という基準を設けて教育にあたっていました。二年経って、成長が見られなければ部署を異動させるか他の仕事をたってもらうか、あるいは向いていないことをきちんと説明して他の会社を探してもらうなどの対処をとるということです。
この二年という期間は、あくまでも私のその時の基準であって、業務内容、立場、 会社などによってその期間は違ってくるはずです。ただ、どんな仕事であれ、必ず期間 を設けておいて下さい。 私の関わっていた仕事の場合、二年で芽が出ないということは、本人の努力不足も含め やはり向いていないといわざるを得なかったのです。
もちろん、指導者の問題はあります。二年かかって成長した人が優秀な指導者のもとで あれば、半年で成長できたかもしれません。しかし、どんな指導者のもとであっても、 二年間真面目に働いていれば、必ず何かしらの成長をするものだと判断していたのです。 今の仕事をあきらめさせたり、会社を辞めさせるのが、かわいそうだと思っている上司も多いでしょう。しかし、自分が向いていない職場で、評価されないまま働き続ける方が、本人にとってよっぽど辛いということを上司の側が認識しなければいけないのです。