部下に仕事を任せることができずに、なんでも自分でやらないと気が済まない人、何もかも知らないと気が済まないという上司がみなさんの周りにもいるのではないでしょうか。
そんな人たちに理由を聞いてみたら「自分でやったほうが楽」「教える手間がいらない」「自分のほうが早い」などの答えが返ってきます。
上司のほうが経験豊富で能力も高いのですから上司自身がやったほうが早く、正確なのは当然です。 そんなことを理由になんでも自分でやっている人には「その分、部下が育たない」という深刻な副作用が発生していることに気づいて欲しいものです。
そもそも、上司は部下よりも高い給料をもらっています。会社は部下と同じ仕事、部下でもできる仕事を、どんどん上司にやってもらうために、高い給料を払っているのではありません。 部下とは違う仕事、部下を育てる仕事などをするために、上司という立場が与えられているのです。
私は常日頃から、「上司の究極の仕事は自分の仕事をなくすこと」と言っています。 今まで自分でやっていた仕事をどんどん部下に任せて、上司自身の手が空いてくるようにするという意味です。 そして、時間のできた上司は、さらに上の新しい仕事や違う仕事にチャレンジしていくのです。
さて、部下に仕事を任せたら、自分でやっていた頃より、時間がかかったり、精度が落ちたりすることもあるでしょう。初めてその仕事をするのですから、上司と同じ速度、レベルでやれと言うほうが無理な話です。 でも、そこであれこれと口を出し続けていては部下は育ちません。 任せたら、放りっぱなしにしろというわけではありませんが、じっと待ち、我慢することも上司の仕事です。 子育てだって親は子供が立てるようになったり、話せるようになったりするのをじっと待ちますよね。部下も同じはずです。最初はうまくいかなくても、次は少しマシになるはずです。その次はもっと成長しているはずです。根気のいる作業かもしれませんが、そのように部下をスキルアップさせていくことが、上司の仕事なのです。