上司ともなれば、部下が一人だけというケースはまれです。複数の部下を持つというケースのほうが一般的なはずです。なかには、10名以上の部下を持っているという人もいるでしょう。
たくさんの部下を持っていると、全員(あるいは複数)の部下の前で話をするときには力を注ぐが、一対一の関係のときにはついつい力を抜いてしまっているという人もたまに見かけます。
「ただでさえ忙しいのに、一人ひとりの部下とじっくり向かい合うなんて無理」というのは、たくさんの部下を持つ上司の本音かもしれません。しかし、この態度には大きな問題があります。
一対一で部下と向いあっているとき、あなたは目の前の部下のことだけを見ているのかもしれません。しかし、その部下の後ろには、あなたの部署全員がいるということを忘れないで下さい。もし、あなたが一人の部下に対して、いいかげんな態度を取ったとしたら、その部下は「加藤主任はまともに話しを聞いてくれなかったよ。忙しいのかもしれないけど、適当にあしらわれた感じだな。」と、他の部下にも話すのです。
すると、部署の全員に「部下の話を聞いてくれない上司」「適当な返事しか返さない上司」という認識をもたれかねません。こうなってしまうと、朝礼など全員の前で立派なことを言っても、まるで説得力がなくなってしまいます。
一方、一対一のとき真剣に対応して、部下に信頼を得ることが出来れば、その部下は「意外に、真剣に話を聞いてくれた」「個人的に話せば、ちゃんとわかってくれる上司だよ」とみんなに話してくれるものです。すると、ほかのメンバーからの信頼も得られ、相談や報告を受けやすい環境が出来上がっていくのです。
上司にとっては、たくさんいる部下の一人という感覚かもしれませんが、決してあなどってはいけません。一人の部下の後ろには、常に部門の全メンバーが控えているのです。